筆文字の手紙をもらったときは、どきっとしてあらためて見直します。
書の師匠である谷口祥雲(しょううん)先生から初めて手紙をいただいたのは中学生の頃でした。
先生の書いた文字は達筆すぎて、当時の私には読むことはできませんでした。
さっそく届いた手紙を持って先生のお宅へ伺い、なんと書いてあるのか尋ねたところ、御本人が読んでくれました。
このようなことを繰り返してわかってきましたが、先生は私が伺うのを待っていてくださったのです。
そして、書や絵について色々な物語を聞かせてくださいました。
このときの話が今持って、私の大きな糧となっています。